2012年9月24日月曜日

解散はないかも?

 解散総選挙は、だんだんトーンダウンしてきました。民主党代表選での野田総理の政権運営表明、今後のスケジュールを考えると、そのまま任期満了まで続けるような感じです。来年のアメリカ新大統領と握手するような感じですね。

 自民党総裁選で有利とされている石破茂前政調会長は、民主党との連立に舵を切りかけているとの報道もあります。社会保障の協議を前に進めるとの発言もあります。

 輿石幹事長留任が、解散見送り説を誘発しているようです。しかし、幹事長留任でも、これ以上の離党者を押さえられるとはとても思えません。

 野田総理は内閣改造に期待を寄せているのでしょうか。細田豪志氏を、原発担当大臣兼務で官房長官に据えるのでしょうか。田中真紀子氏でも入閣させるのでしょうか。

 日本維新の会の支持率が、思ったほど伸びていないようです。政党別では自民党が支持率トップです。民主党は経験不足というレッテルからの巻き戻しでしょうか。

 とにかく、解散総選挙となると、今回の選挙はお金が要ります。株式市場では、あくまでも印象だけですが、仕手筋の動きが、何波も起きているような気がし ます。去年の暮あたりからでしょうか。仕掛けとなるともっと前でしょうが、同じ銘柄や違う銘柄入り乱れてはいますが、とにかく大きな変動を伴い、仕手筋が 仕掛けている節が多く、しかも何度も見られます。

 郵政解散の時、前回の政権交代選挙の時、大きな変化が伴いそうな選挙での、その後の選挙違反者の多いこと。大きなお金が動いているのでしょうね。ある意 味、資金の準備に手間取っているのかもしれませんね。そこは、実は民自共通の部分で、10月解散先送りは、実は、両党合意なのかもしれません。

 となると、日本維新の会に十分な準備期間を与えることになりますので、民自手を組んで、既成政党vs維新の会で戦う準備をするのでしょう。

 となるとカギは公明党です。日本維新の会は、近畿での選挙区で、公明党への対抗馬は出さないと言っています。民自公にくさびを打った形です。民自が組め ば、確かに公明党の存在は厳しくなります。かといって、公明党の組織票は魅力です。無党派層は、下手をしない限り、維新の会有利です。

 しかし、維新の会にも問題があります。みんなの党との決裂により、維新の会のブレインの離反が噂されています。今の政策立案の中心は、みんなの党からお 借りしているブレインによるものとされています。もともと衆議院選前に合流するとされていましたが、トップ会談で決裂したようです。

 漏れ聞こえる話では、党名を「みんなの維新の会」にして、維新の会がみんなの党に合流することを渡辺代表は思っていたとも伝えられています。

 みんなの党は、小泉政権下での上げ潮派でしょう。日本維新の会も、その流れのようですね。

 さて、解散総選挙はどうなるのでしょうかね...

2012年9月18日火曜日

尖閣諸島問題は江沢民派と胡錦濤派の政権構想と関係があるのか...

 尖閣諸島問題を巡って、日中間が緊張状態とメディアは報じています。領土権はその周辺の漁業権はもちろん、海底資源などの、多くの利権が絡んできます。しかし、時を経るごとに、単なる領土問題ではなさそうな感じがしてきました。

 中国のデモは、日に日にその数を増し、毛沢東の写真を掲げてデモ行進をするようになってきました。これは、完全に現政権への批判を表していると言われて います。少なくとも、建国時は皆平等であったという、郷愁の念でしょうか、格差社会を生み出した現政権への批判が、尖閣諸島の問題で火を噴いたような感じ です。

 中国の経済成長は、国内の不満を抑えるためにはどうしても必要なことでした。大学は出たけれど就職ができない、エリート失業者が増加しています。彼らの 不満はずっと鬱積しています。中国経済が成長し続けることで、いつかは自分たちもいい思いができるという夢を描かせていたのですが、その中国経済が減速 し、ますます、国内雇用環境は悪化してきました。

 その不満爆発は、小さなものは毎日のように起こっている言われています。そのガス抜きに、ナショナリズムを煽りやすい尖閣諸島問題に、みんなの不満を向 けたのではと言われています。おりしもロンドンオリンピックの後です。ナショナリズムは高まりやすい時期でもあります。それは韓国も同じです(竹島問 題)。

 韓国も、IMFショック後、競争社会が行き過ぎた状態となり、完全な実力主義で、会社内の競争に勝ち抜かなければなりません。負けた人には全く何も残り ません。彼らの支えは、日本経済に肩を並べたことで、竹島問題は、まさに、韓国国民の不満のはけ口であり、竹島を韓国領土と主張し、一歩も引かないこと は、日本との対等意識の象徴なのかもしれません。李明博大統領のスキャンダルへの名誉挽回のためのスタンドプレーと言う意見もありますが、その実、中国、 韓国の内部事情があるようです。

 また、中国政権での江沢民派と胡錦濤派の抗争の表れと言う意見もあります。習近辺氏が次期国家主席と目されていますが、上海グループ、太子党出身の江沢 民派です。胡錦濤一派は、巻き返しをはかり、上海の大物、薄煕來氏を排除、李克強(胡錦濤同様の中国共産党青年団出身)を首相に据え、さらにチャイナ9と 呼ばれる中枢メンバーを7人にしようとしています。胡錦濤の力を存続させるためです。

 その政争の延長で、江沢民派が、今回の尖閣諸島問題をけしたてているという噂もあれば、逆に、胡錦濤派が、胡錦濤の国家中央軍事委員会主席の座に居座るために煽っているという噂もあり、政権紛争の中で、いろんな情報が飛び交っています。

 前回、中国漁船と自衛隊艦船衝突の時の中国側のデモは、政府がやらせているという話もありましたからね。

  今日9月18日は、満州事変の発端となる柳条湖事件から81年を迎える日で、中国にとっては屈辱を忘れないという特別な日です。その日に合わせての反日デモでもあります。

 アメリカも、これ以上の両国の紛争を望んではいないでしょう。どちらにしても、事態の深刻化は得策ではありません。日中戦争勃発という、恐ろしい話も出てきています。

 今日がデモのピークなのでしょうか。複雑な社会事情が入り乱れた問題ですね...

2012年9月17日月曜日

領土問題に関して聞いた話ですが...

 尖閣諸島に竹島、領土問題が深刻化しているようです。外交評論家の方の話では、北方領土も含め、一番厄介なのは竹島問題だと言っていました。

 北方領土は、プーチン返り咲きもあり、3.5島返還(4島の面積での按分)というのが、どうやら大筋と見られているようです。とても親しいジャーナリストによる、永田町チャンネルからの話だそうです。二次情報ですから、なんとも言えませんが、この話は以前からあったことはありましたね。

 尖閣諸島に関しては、中国にとっては、ベトナムなどの、東南アジア諸国とも領土問題を抱えていて、そちらの方が重要のようで、できれば、尖閣諸島はそっとしておきたいところのようです。中国通の方の話です。胡錦濤国家主席に聞いたわけではないですがね。

 これはラジオで聞いた佐藤優元外交官の話ですが、日中間では、漁業協定が結ばれていて、尖閣諸島に関しては、日中それぞれ、漁業に関しては、お互いの法律を適用させないという取り決めがあるそうです。あくまでも漁業に関してのことです。

 自衛隊船との衝突事件や、尖閣諸島上陸は、漁業ではないので、あれは日本が威嚇して当然と、佐藤氏は発言していました。

 竹島に関しては、韓国側が、国内の不満を日本に向ける方策をとっているので、こちらは非常に厄介だとのことです。

 韓国にとって、IMF管理下に入った過去があり、あの時、安倍晋太郎(安倍晋三元総理のお父さん)外務大臣(当時)に頭を下げてお金を借りに行っても、冷たく袖にされた経緯があります。あそこで日本が手を差し伸べていれば、おそらく韓国はデフォルトしなくて済んだはずです。

 その恨みではないですが、その後、韓国は、日本に追い付け追い越せで、IMFの無理な緊縮ものみ、財閥も解体し、競争社会を受け入れました。その結果、過度なまでの競争社会が生まれましたが、経済的に日本と肩を並べていることが、彼らの誇りであり、支えなのでしょう。

 そんな流れもあって、やっと日本に肩を並べてきたという韓国の思いから、日本との交渉で、弱腰には絶対になれません。そんな背景もあっての竹島問題ですから、厄介な問題と、専門家は位置づけているのでしょう。

 領土問題に関しては、単に誰の土地というだけの話ではなく、とてもナイーブなもので、領土問題は戦争へとつながりかねません。

日本維新の会が躍進後のライフプラン

 解散総選挙があるかもしれない。町中そんな雰囲気です。政治は社会を変えます。国会が法律を作り、行政はそれを実行します。日本は間接民主主義ですか ら、国会議員の考え方で、国の在り方が変わります。その国会議員は選挙で選ばれます。つまり、選挙で勝ったことイコール国民に、全てまかされたことになり ます。

 憲法の前文には「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し・・・」とあります。

 国会決議は多数決です。少数意見は、場合によっては無視されます。今の民主主義は多数決が正義なのです。

 今の勢いで行けば、日本維新の会が政権を取るか、連立政権となっても、相当影響力を持つと言われています。選挙ですから、蓋をあけてみないとわかりませんが、新しい政権が、社会構造を決めます。社会を作ってきます。

 日本維新の会による社会とは何ぞや。どんな社会なのか。それを知ることで、私たちのこれからの振る舞いは、大きく変わってきます。

 日本維新の会の基本理念である「維新八策」の冒頭には(ここでは大阪維新の会です)、何を目指すかが書かれています。

      「個人の自由な選択と多様な価値観を認め合う社会を前提に、
              ・自立する個人
              ・自立する地域
              ・自立する国家 
       を実現することです。」

 となっています。「自立」がメインテーマです。つまり、自分たちのことは自分たちで守りなさいということです。おおむね小泉内閣の時の「構造改革なくして経済成長なし」の路線ですね。規制の撤廃は、彼らの中心に位置しています。

 つまりは小さな政府を目指す構えです。なにもかも国が面倒を見るのではない。もっと自由な市場原理を取り入れ、競争により、みんなが切磋琢磨して、成長していこう、というものです。

 小泉政権の批判は格差の拡大でした。その反動で誕生した民主党政権は、格差の是正でした。しかし、あまりにもポピュリズムに走りすぎた政策はとん挫するばかりで、何もしない、何もできない内閣と批判を浴びました。マニュフェストの撤回でしたね。

 今度は、そこからまた舵を切って、小泉政権下の時代に巻き戻されようとしています。

 国や制度に依存することを前提としたライフプランは成り立たなくなります。社会構造が大きく変わるということは、規制撤廃により、日本国内のみならず、海外との競争も余儀なくされることになります。

 安定した雇用環境は、自分の力で守るのです。誰でもできる仕事は誰かにとって換わられます。常に、意識を高く持っていなければはじかれます。それが競争社会です。

 今迄のライフプランは通用しなくなるでしょう。今までの常識は、新しい常識に塗り替えられます。

 「自立」です。ライフプランのテーマは「自立」なのです。セイフティーネットは、最終手段です。生活保護を受けるには、全部なくしてからです。それまでは、国も制度も助けてはくれません。

 覚悟しておきましょう...

2012年9月16日日曜日

ヘッジファンドのターゲットが、ユーロから日本へ?

日本デフォルト、ちょっと前まではすごく叫ばれていましたが、今はなんか静かになっていますね。日本が破たんするということは、確かに考えづらいことではあります。

 破綻とは、自分の力でお金を調達できないくなることです。借金ができなくなったらおしまいと言うことです。化会社や国が債券を発行できなくなったらおしまいと言うことですね。会社の場合、上場会社なら株からの資金調達もあるでしょうが、国は国債の発行しかありません。

 日中韓で、お互いに、国債を買い支えあっています。これもそうご助け合いですね。と言うよりも、韓国にとっては非常にメリットがあることです。しかし、竹島問題がこじれて、この国債の買い支えにも微妙な影響が出てきています。

  さて、日本の国債が買ってもらえなくなるというのはどういうことでしょう。ギリシャやスペインがいい例ですね。この両国の国債の利回りが跳ね上がりまし た。国債が売られたのです。それは、先物市場で売られ、CDS価格が上昇したことが始まりです。CDSは破たんを保証するもので、俗にいう倒産保険と言わ れているものです。CDS価格が上昇するということは、それだけ危険度が増しているということです。

 ちなみに、国債の利回り上昇が危険なのは、利払い額が財政を圧迫するからです。金利上昇はほどほどがいいのです。ですから破綻を仕掛けるには、猛烈な債券売りによる利回り急上昇、その結果通貨暴落、そして株価下落と言う動きになります。

 日本破綻の仕掛けは、日本国債先物の猛烈な売り、それによるCDS価格の上昇。それを確実に、また拍車をかけるのが日本国債の格下げです。

 日本しか日本国債を買っていないので、日本デフォルトなんてありえない。日本の金融機関はなんだかんだ言って国債を買い続けるという論調も正しいでしょう。

 でも、ヘッジファンドはそれこそ恐ろしい集団です。ボルカー・ルールでは日本国債は対象になっていません。つまり、フリーなんですね。

 ユーロ売り崩しも、そろそろ終わりでしょうから、ヘッジファンドは、次なる仕掛けを模索しているはずです。それが日本でないことを祈りたいですね。

2012年9月14日金曜日

QE3でオバマ陣営は有利になるのか....

 昨日、アメリカFOMCで追加の量的緩和政策(QE3)実行に関する発表がありました。マーケットは好感しているようで、今日の日本市場でも、その余波は大きく、東京市場では幅広い銘柄で買いが入り、アジア市場も上昇しています。

 経済における影響は、別のブログにお任せして、ここでは、政治的な観点から、今回の9月でのFOMCでのQE3発動について考えてみましょう。

 当然11月の大統領選挙が絡んできます。中央銀行の中立性、政治とは関与しない立場からでは、大統領選挙直前での、経済に大きな影響を与える政策はとりづらいものです。それゆえ、10月のFOMCでは、とてもQE3の話題は持ち出せません。

 今回の量的緩和による景気刺激策に関しては、どうしても打ち出す理由があったのしょう。それは、ここにきてのオバマ陣営の不利、ロムニー候補の猛追現象、もう一つはバーナンキFRB議長自身の首がかかっているということです。

 支持率において、民主党、共和党交互に、上位に上がっていて、どちらにとっても、圧倒的な戦局にはなっていないようです。ライアン氏を副大統領候補にし たことで、共和党は右派を引き込む作戦をとりました。これは前回の中間選挙でも活躍したティーパーティーの取り込みです。民主党は、このティーパーティー に散々やられましたからね。

 オバマ政権樹立時の最大の立役者は、就職困難な若者層の支持があったからですが、グリーンニューディール政策も前に進まず、失望感から、中間選挙は、若者層の離反で民主党が大敗しました。ひとえに失業率の悪化、労働環境が一向に改善されないからです。

 そこで、オバマ政権は、製造業復活へとのろしを上げ、金融業界を徹底的に悪者にしました。金儲けばかりで雇用を生まない金融業界を敵に回したのです。それが金融規制のボルカー・ルール発効であり、LIBOR不正事件を明るみにしたのだと思われます。

 トヨタバッシングも、のちに、一連の事故原因と言われる出来事はやらせであったことを認めていますが、結果、GMやフォードは復活です。海外からの、高度な技術者、付加価値の高い技術を、どんどんアメリカ国内に戻しています。

 これは完全に勘ぐりですが、TPPは、アメリカに憂愁に医療関係者を終結させるのが目的ではないでしょうかね、何となくそんな気がするのですが、あくまでも憶測で何の根拠もありませんが...

 労働環境の改善を前面に押し出した今回のバーナンキ議長の声明文、景気改善があっても労働環境が認められない限り、MBSや国債は買い続けるというメッセージを出しています。まさに、政治的な戦略と言えるでしょう。

 これで、10月のFOMCでは、それを確認するだけで、マーケットは反応しますし、恐らく,10月第一週の非農業部門雇用者数は、大幅改善の数字になる のではないでしょうか。今回のデータをドレッシングしているのか、今度の数値をいじるのか、時々政府発表数字を、作為的に調整するという話は聞いていまし たが、それは確かなことではありませんが、結果、10月の雇用統計が大幅改善なら、11月大統領選挙に向けて、めちゃくちゃ大きな弾みとなります。

 11月はFOMCはなく、12月に開かれます。11月がないというのも微妙です。

 もう一つの理由は、ロムニー候補が大統領になったら、バーナンキ議長は解任すると明言しているようです。ライアン副大統領が納めるような発言をしても、再度声高に、ドルを下落させた張本人はやめさせると語気を強めたそうです。

 バーナンキ議長にしても、自分の椅子がかかっています。ここで、目に見える形で、経済回復を示さないと、立場が怪しくなります。もはや、オバマ-バーナンキ共闘体制ですね。

 とにかくオープンエンド型の、今までにない量的緩和の方法です。選挙にどう影響を与えるのでしょうか...

 選挙後、どちらが大統領になるかで世の中が変わるといった内容は、今週発行のメルマガに書きましたので、そちらをご覧ください。

2012年9月13日木曜日

安倍晋三元総理も立候補者

民主党代表戦、自民党総裁選も、立候補者が出揃いました。事前に名前が上がったメンバーで、サプライズはないですね。サプライズと言えば、谷垣総裁が不出馬ということでしょうか。

安倍晋三元総理には、政権を途中で投げ出した責任を問われています。所信表明をしてすぐ、党首討論直前に辞任したということは、相当の汚点のようです。

安倍晋三元総理は右寄りの政策の中心者で、右関連の集団には根強い人気があります。大阪維新の会との距離が近いということは、日本維新の会も、右寄りの集団と言えるのでしょうか。

憲法改正、特に9条を引っ張り出してきて国民投票のかけるところは、安倍晋三元総理と同調するところですね。

自民党内で今後のポジションを掴めないとなった時点で、安倍晋三元総理は、日本維新の会に合流するのかもしれません。

選挙前の合流だと、やはり元総理といえど、新党のイメージにも関わりますし、無党派層の取り込みにはマイナスになってしまいます。選挙後に安倍晋三元総理合流となると、参議院で安倍氏に近い議員も合流してくるでしょうから、日本維新の会の弱点でもある参議院でも勢力を伸ばすことができます。

自民党では、石原幹事長は民主党と公明党との連立でしょうし、石破前政調会長も、日本維新の会とは付かず離れずの立ち位置でしょう。

自民党総裁選で誰が総裁になるかで、日本維新の会に流れる議員も出てくるのでしょうか。それは民主党とて同じでしょうね。

いずれにしても、理念などそっちのけで、どこのグループに属していれば、選挙に通りやすいかしか考えていない、さもしい議員ばかりですからね。



iPhoneからの投稿

2012年9月12日水曜日

大阪維新の会が訴えている「混合診療の解禁」について

 大阪維新の会が、日本維新の会という政党となり、その政策を示すものに「維新八策」が発表されています。その中に、「混合診療の解禁」という項目があります。

 混合診療とは、保険診療と自由診療が一緒に行われることを言い、その場合、医療負担の平等性の観点から、自由診療分を患者さんに請求してはいけないことになっています。もし請求する場合は、保険診療部分も自由診療となり、患者さんの全額負担になりますよというものです。

 いまこの混合診療が認められているのは、差額ベッド代や新しい高度医療の提供などごく一部です。しかし、歯科の分野では広く認められています。抜歯した後の歯を入れる時に「保険適用にしますか、自由にしますか」と聞かれたことはないですか。

 混合診療を禁止することは、一見、患者さんにとって不利益のように感じますが、混合診療の解禁には、いくつかの大きな問題点が隠れているのです。

  いま、健康保険制度は火の車です。おそらく、日本デフォルトなんてことがおきれば、真先にメスを入れられるのが医療制度です。そもそも今の財政状況で、皆 保険制度維持は、非常に困難です。日本国債が暴落し、日本売りが加速し、お隣韓国のように、IMFの支援を受けるようになれば、真先に皆保険制度は見直さ れるでしょう。年金よりも医療の方が、実は、財政がめちゃくちゃ大変なのです。

 永田町では、皆保険性制度維持のために、薬剤の保険適用 外を真剣に検討しているという話も耳に入ってきています。治療等の医療行為は保険適用、薬剤処方は保険適用外ということですね。医療給付費(患者さんが負 担した3割分の残りの7割分のことで、健康保険制度から医療機関に直接支払われています)の削減のために、ジェネリック医薬品の普及を推進しています。

 混合診療の解禁をきっかけに、今まで保険診療だった部分も自由診療に切り替えられるのではという懸念があるとも言われています。また、混合診療解禁は、お金持ちにはとってもいいことですが、経済力の弱い人には厳しくなります。受けられる治療が限られるのです。

 そもそも、混合診療の解禁は、アメリカがずっと前から強く要求していることです。日本では薬価制度というものがあり、厚生労働省が認めた薬しか取り扱えないことになっています。逆にいうと、厚生労働省の安全基準をクリアした薬剤しか使えないとも言えます。

 自由診療の薬の安全性に関して、保証がなくなることは、安全面で不安となります。ただ、外資系の薬がどんどん日本市場に入ってくるので、外国企業にとっては、混合診療の解禁は、規制撤廃と同じ効果を得ることになります。

  また、混合診療の解禁となると、保険診療と自由診療の比率は、医者任せとなり、医療機関としては、お金持ち優遇の病院を作り、大きく稼ぐことができます。 患者さんの了解は得るとはいうものの、病気になった時の立ち位置は、やはりお医者さんの方が上になるでしょう。お医者さんの言うとおりになりがちです。

 今は歯医者さん不遇の時代です。生き残っている歯医者さんの多くは、自由診療の比率が大きいところです。儲かっている歯医者さんは自由診療で儲かっていると言えるでしょう。

 ますます保険診療は、隅に追いやられることになりかねない政策でもあります。広く人を救うか、医療現場に自由経済の論理を導入するのかです。

  よーく考えましょう...といっても、おそらく、混合診療は解禁の方向に向かうのでしょうね。日本維新の会が取り上げているのですから、今の勢いで言え ば、医療制度の大きな見直しは避けられないでしょう。自由経済の論理は、医療の世界のみならず、学校社会などにも取り入れられると思われます。

 自由経済の考え方、競争原理は間違っているとは思いませんが、医療や教育など、ここだけは全国民をケアしなければならないというところだけは、政府が責任を持つべきと思うのですがね...