2012年12月17日月曜日

総保守、タカ派の時代到来ですね...

総選挙が終わりました。予想通りの自民党圧勝となりました。300議席には届かないまでも、単独過半数を確保、しかも、自公合わせて、衆議院の2/3以上を確保しました。民主党は大敗と言うよりも壊滅状態で、参議院選挙次第では、おそらく消滅の危機に陥るかもしれません。来年夏までの信頼回復は、この3年間を見れば、かなり厳しいでしょう。自民党の大失態があっても、それは第三極に流れていくでしょうから、民主党は消滅するかもしれません。

大幅な財政赤字、原発依存体制(=電力会社野放し)、沖縄基地問題(=対米追従政策)は、すべて自公政権、それ以前の自民党政権の大きな付けでした。それを引き継いだ民主党には、はっきり言って責任はないのですが、政権交代後の首相が鳩山由紀夫氏であったことが、悲劇の始まりでした。

小沢一郎幹事長(政権交代当時)の政治と党の分離(党政調の廃止)、陳述の党への一元化は、族議員廃止には必要なことだったでしょうし、政治主導による大量の政務官の設置は、その通りだったと思います。

マスコミが、自民党政権時には突っ込みどころ満載だったのが、政権交代を果たした後は、ネタがないので、個人的なこと、細かいこと、小沢一郎氏バッシングに徹しました。細川連立内閣発足時も、マスコミが作ったと豪語していましたが、あのころから、マスコミは傲慢になったのだと思います。

また非自民政権の時に大惨事が起こります。阪神淡路大震災の時は村山富一社会党党首政権でした。

いろんなめぐり合わせも運命なのでしょう。民主党と言う党の役目はいたいなんだったのでしょう。国民は、またまた一つの党に、大量票を集中させました。一党独裁が何を生むかを、何度も経験してきながら、また同じことを選択しました。

第三極と言っても、結局は総保守であり、どの保守がいいかを選ぶものになっています。社民党や共産党は、もはや存在していないのと同じになってしまいました。憲法改正、軍備増強のタカ派の時代です。自民党ハト派の大物、加藤紘一氏は落選、残った民主党はほとんどがタカ派、安倍晋三氏と石原慎太郎氏のタカ派コンビとなるのでしょうかね...

2012年12月13日木曜日

FOMCが毎月400億ドル国債購入、ドル安すすみ、ドル/円は円安へ......

米FOMCでは、資産購入プログラム拡大が決定しました。それまでの短期債を売って、同額の長期債を購入するツイストオペの期限切れを受けて、それまでと同額の毎月450億ドルの国債を購入する方針を決めました。
さらに、政策金利の見通しを、失業率とインフレ率に関連付ける方針も初めて示しました。
バーナンキFRB議長は記者会見で、「物価安定という状況で経済活動を促進するのに必要なだけ、緩和的な政策を維持する」と語っています。
 
政府支援機関による毎月400億ドルの住宅ローン担保証券(MBS)購入は継続されます。こちらも、労働市場の大幅な改善が見られない限り、継続すると表明されています。
このことにより、FRB資産は、保有国債の期間調整のために、短期債を売って長期債を買うオペレーション・ツイスト(ツイストオペ)の場合は、同額のうりかいにより、資産規模が膨らむことはありませんが、今回は回のみとなります。しかも、MBS購入と合わせて、毎月850億ドルも資産が増えていくことになります。ツイストオペのように、国債を入れ替えるのではなく、一方的に購入することで、市場へのインパクトはさらに強くなります。
 
いつまでこの緩和策を続けるのかという、失業率やインフレ率の推移ですが、FRBは、2015年までは政策金利引き上げはないとみているとのことです。2015年の失業率は中心傾向(最も高い3つと最も低い3つの予想を除いたもの)で6~6.5%と予想しています。
インフレ率に関しては、来年のGDP(国内総生産)は2.3~3%増が見込まれるとしています。9月時点の予想は2.5~3%でした。2014年では3~3.5%増が見込まれ、従来予想の3~3.8%の上限が引き下げられたことになります。
 
為替市場では、この追加量的緩和により、金利の高い通貨に対してドルが売られました。ユーロ/ドルやオーストラリアドル/ドルなど、ドル安が進みました。ただ、ドル/円に関しては、金利が低い円が売られる格好になりました。
 
リスク選好と言う言葉が出てきていますので、ドル/円ではドルが買われたのでしょうか。日銀による緩和策の内容が一部報道されたことを受けたのでしょうか。
その内容とは、20日の日銀金乳会合で、ヘッジファンドへの融資も認める、いわゆる円キャリートレード増加を狙う施策を打ち出すという記事で、ブルーンバーグが報じています。
ドル/円では83円台まで円安が進みました。ユーロ/円は108円台です。

2012年12月8日土曜日

昨日のアメリカ雇用統計は強い結果となりました。失業率が0.2ポイント改善され、7.7%となりました。非農業部門雇用者数(NFP)は14.6万人増、前回よりかは増加数は減りましたが、事前予想の8.6万人を大きく上回りました。

しかし、マーケットの反応は一時的で、株価はニューヨークダウ・S&P500・ナスダックとも上昇しましたが、為替は、発表後、ドル/円でドル買いは目立ちましたが、その後は徐々にドルが売られる展開となりました。ユーロ/ドルでは、利下げ観測でユーロ売りが目立ちました。

雇用統計の中身は、確かに失業率は改善されてはいますが、大型ハリケーン「サンディ」による悪天候により、就業できなかった労働者数は36万9000人となり、労働市場の縮小の結果が失業率の低下につながったのではという理由によるもののようです。

労働参加率は63.6%と、前回の63.8%から低下でした。前回の非農業部門雇用者数増加数速報値17.1万人は、13.8万人に下方修正しています。

また、今回の調査は、11月末の感謝祭の関係もあり、調査を通常よりも一週間繰り上げて行っています。その結果、小売業を中心に、年末商戦のために早めに一時雇用を増やしたことも影響しています。民間部門雇用者数は14.7万人増となっていて、事前予想(9万人増)を上回ったのもそのせいかと思われます。11月の、年末商戦に向けての、早めの一時雇用者増加対策により、雇用環境を押し上げたのは、約7万5000人ではと言われています。

11月の小売業は5万3000人増、一方、製造業部門雇用者数は7000人減少、建設部門では2万人の減少でした。

なお、平均時給は23.63ドルで、前回は23.59ドルでした。また、平均労働時間は週34.4時間で、前月と変わらずだったようです。

2012年12月7日金曜日

わたしたちはもっと賢くなろうよ...

衆議院選挙の情勢は、自民党圧勝のようです。単独過半数確保の勢いで、ふたたび公明党との自公政権復活となりそうです。来年の参議院選挙でもこの勢いが続くとなると、両院で自民党単独過半数となったら、国防軍構想に反対している公明党を切るのかもしれません。石原慎太郎氏の動き次第では、自民党と日本維新の会が連立を組むことも考えられますね。

確かに何も決められない状況は良くないです。だからと言って、ふたたび、特定政党一人勝ちを許しっていいのかどうか、郵政解散後の小泉自民党、政権交代後の民主党を見ても明らかです。

日本維新の会は、あれだけ偉そうに言っていた政策中心、政策の一致なくして合流なしと言うスタンスを、石原御大の合流の前では、すべてご破算です。政権に入れるのなら、自民党とでも組むと言うのが石原慎太郎氏の考えでしょう。国防軍構想なんて大賛成でしょうからね。

石原御大にとってはこれが最後のチャンスです。自身の総理の椅子は、今回しかありません。一方、橋下徹氏は、政策中心のイメージを通すなら、本当は、今回はどことも組まないで、野党でいた方が、次は確実にねらえます。松井幹事長が、今回の選挙で政権につきたいと思っているとの節もあります。

日本維新の会は、表向きは橋下独裁政党に見えますが、その実は、広告塔が橋下氏で、実権は松井氏が動かしているとの話もあります。太陽の党との合流は失敗のような気がします。

もともと、維新八策には疑問を持っていましたし、橋下氏に国民がなびく風潮は危険と感じていました。はっきりとものを言う人がリーダーシップがあると、どうしてこの国の国民は、何度も勘違いするのでしょう。

マスコミは、やたら小沢一郎氏を嫌います。いや、大好きと大嫌いが極端なのでしょう。日本未来の党は小沢氏が影の支配者と言う構図を作りたがるのです。はっきりと言って、マスコミは邪魔ですよね。小沢シンパでもなんでもないですが、マスコミの在り方には、はなはだあきれることが多すぎます。国民の情報源はテレビからが多いですから、報道におけるコメンテーターはいらないと思いますね。彼らの意見に情報が脚色されますからね。

争点が多いからと言う嘆きは、選挙には当てはまりません。論点が一個と言う選挙はあり得ません。政治はいろんな要素がからんで当たり前です。ひとつひとつの政策を吟味して、総合的に政党を選ぶことになるのが選挙です。一つの事に白か黒かではありません。

また、人柄や誠実さだけで候補者を選ぶのも良くないです。人気や知名度だけで選ぶのはもってのほかです。もっと賢くなりましょうよ。私たちの国会での代表者を選ぶのが選挙ですから。それが間接民主主義の世界なのですから...

2012年9月24日月曜日

解散はないかも?

 解散総選挙は、だんだんトーンダウンしてきました。民主党代表選での野田総理の政権運営表明、今後のスケジュールを考えると、そのまま任期満了まで続けるような感じです。来年のアメリカ新大統領と握手するような感じですね。

 自民党総裁選で有利とされている石破茂前政調会長は、民主党との連立に舵を切りかけているとの報道もあります。社会保障の協議を前に進めるとの発言もあります。

 輿石幹事長留任が、解散見送り説を誘発しているようです。しかし、幹事長留任でも、これ以上の離党者を押さえられるとはとても思えません。

 野田総理は内閣改造に期待を寄せているのでしょうか。細田豪志氏を、原発担当大臣兼務で官房長官に据えるのでしょうか。田中真紀子氏でも入閣させるのでしょうか。

 日本維新の会の支持率が、思ったほど伸びていないようです。政党別では自民党が支持率トップです。民主党は経験不足というレッテルからの巻き戻しでしょうか。

 とにかく、解散総選挙となると、今回の選挙はお金が要ります。株式市場では、あくまでも印象だけですが、仕手筋の動きが、何波も起きているような気がし ます。去年の暮あたりからでしょうか。仕掛けとなるともっと前でしょうが、同じ銘柄や違う銘柄入り乱れてはいますが、とにかく大きな変動を伴い、仕手筋が 仕掛けている節が多く、しかも何度も見られます。

 郵政解散の時、前回の政権交代選挙の時、大きな変化が伴いそうな選挙での、その後の選挙違反者の多いこと。大きなお金が動いているのでしょうね。ある意 味、資金の準備に手間取っているのかもしれませんね。そこは、実は民自共通の部分で、10月解散先送りは、実は、両党合意なのかもしれません。

 となると、日本維新の会に十分な準備期間を与えることになりますので、民自手を組んで、既成政党vs維新の会で戦う準備をするのでしょう。

 となるとカギは公明党です。日本維新の会は、近畿での選挙区で、公明党への対抗馬は出さないと言っています。民自公にくさびを打った形です。民自が組め ば、確かに公明党の存在は厳しくなります。かといって、公明党の組織票は魅力です。無党派層は、下手をしない限り、維新の会有利です。

 しかし、維新の会にも問題があります。みんなの党との決裂により、維新の会のブレインの離反が噂されています。今の政策立案の中心は、みんなの党からお 借りしているブレインによるものとされています。もともと衆議院選前に合流するとされていましたが、トップ会談で決裂したようです。

 漏れ聞こえる話では、党名を「みんなの維新の会」にして、維新の会がみんなの党に合流することを渡辺代表は思っていたとも伝えられています。

 みんなの党は、小泉政権下での上げ潮派でしょう。日本維新の会も、その流れのようですね。

 さて、解散総選挙はどうなるのでしょうかね...

2012年9月18日火曜日

尖閣諸島問題は江沢民派と胡錦濤派の政権構想と関係があるのか...

 尖閣諸島問題を巡って、日中間が緊張状態とメディアは報じています。領土権はその周辺の漁業権はもちろん、海底資源などの、多くの利権が絡んできます。しかし、時を経るごとに、単なる領土問題ではなさそうな感じがしてきました。

 中国のデモは、日に日にその数を増し、毛沢東の写真を掲げてデモ行進をするようになってきました。これは、完全に現政権への批判を表していると言われて います。少なくとも、建国時は皆平等であったという、郷愁の念でしょうか、格差社会を生み出した現政権への批判が、尖閣諸島の問題で火を噴いたような感じ です。

 中国の経済成長は、国内の不満を抑えるためにはどうしても必要なことでした。大学は出たけれど就職ができない、エリート失業者が増加しています。彼らの 不満はずっと鬱積しています。中国経済が成長し続けることで、いつかは自分たちもいい思いができるという夢を描かせていたのですが、その中国経済が減速 し、ますます、国内雇用環境は悪化してきました。

 その不満爆発は、小さなものは毎日のように起こっている言われています。そのガス抜きに、ナショナリズムを煽りやすい尖閣諸島問題に、みんなの不満を向 けたのではと言われています。おりしもロンドンオリンピックの後です。ナショナリズムは高まりやすい時期でもあります。それは韓国も同じです(竹島問 題)。

 韓国も、IMFショック後、競争社会が行き過ぎた状態となり、完全な実力主義で、会社内の競争に勝ち抜かなければなりません。負けた人には全く何も残り ません。彼らの支えは、日本経済に肩を並べたことで、竹島問題は、まさに、韓国国民の不満のはけ口であり、竹島を韓国領土と主張し、一歩も引かないこと は、日本との対等意識の象徴なのかもしれません。李明博大統領のスキャンダルへの名誉挽回のためのスタンドプレーと言う意見もありますが、その実、中国、 韓国の内部事情があるようです。

 また、中国政権での江沢民派と胡錦濤派の抗争の表れと言う意見もあります。習近辺氏が次期国家主席と目されていますが、上海グループ、太子党出身の江沢 民派です。胡錦濤一派は、巻き返しをはかり、上海の大物、薄煕來氏を排除、李克強(胡錦濤同様の中国共産党青年団出身)を首相に据え、さらにチャイナ9と 呼ばれる中枢メンバーを7人にしようとしています。胡錦濤の力を存続させるためです。

 その政争の延長で、江沢民派が、今回の尖閣諸島問題をけしたてているという噂もあれば、逆に、胡錦濤派が、胡錦濤の国家中央軍事委員会主席の座に居座るために煽っているという噂もあり、政権紛争の中で、いろんな情報が飛び交っています。

 前回、中国漁船と自衛隊艦船衝突の時の中国側のデモは、政府がやらせているという話もありましたからね。

  今日9月18日は、満州事変の発端となる柳条湖事件から81年を迎える日で、中国にとっては屈辱を忘れないという特別な日です。その日に合わせての反日デモでもあります。

 アメリカも、これ以上の両国の紛争を望んではいないでしょう。どちらにしても、事態の深刻化は得策ではありません。日中戦争勃発という、恐ろしい話も出てきています。

 今日がデモのピークなのでしょうか。複雑な社会事情が入り乱れた問題ですね...

2012年9月17日月曜日

領土問題に関して聞いた話ですが...

 尖閣諸島に竹島、領土問題が深刻化しているようです。外交評論家の方の話では、北方領土も含め、一番厄介なのは竹島問題だと言っていました。

 北方領土は、プーチン返り咲きもあり、3.5島返還(4島の面積での按分)というのが、どうやら大筋と見られているようです。とても親しいジャーナリストによる、永田町チャンネルからの話だそうです。二次情報ですから、なんとも言えませんが、この話は以前からあったことはありましたね。

 尖閣諸島に関しては、中国にとっては、ベトナムなどの、東南アジア諸国とも領土問題を抱えていて、そちらの方が重要のようで、できれば、尖閣諸島はそっとしておきたいところのようです。中国通の方の話です。胡錦濤国家主席に聞いたわけではないですがね。

 これはラジオで聞いた佐藤優元外交官の話ですが、日中間では、漁業協定が結ばれていて、尖閣諸島に関しては、日中それぞれ、漁業に関しては、お互いの法律を適用させないという取り決めがあるそうです。あくまでも漁業に関してのことです。

 自衛隊船との衝突事件や、尖閣諸島上陸は、漁業ではないので、あれは日本が威嚇して当然と、佐藤氏は発言していました。

 竹島に関しては、韓国側が、国内の不満を日本に向ける方策をとっているので、こちらは非常に厄介だとのことです。

 韓国にとって、IMF管理下に入った過去があり、あの時、安倍晋太郎(安倍晋三元総理のお父さん)外務大臣(当時)に頭を下げてお金を借りに行っても、冷たく袖にされた経緯があります。あそこで日本が手を差し伸べていれば、おそらく韓国はデフォルトしなくて済んだはずです。

 その恨みではないですが、その後、韓国は、日本に追い付け追い越せで、IMFの無理な緊縮ものみ、財閥も解体し、競争社会を受け入れました。その結果、過度なまでの競争社会が生まれましたが、経済的に日本と肩を並べていることが、彼らの誇りであり、支えなのでしょう。

 そんな流れもあって、やっと日本に肩を並べてきたという韓国の思いから、日本との交渉で、弱腰には絶対になれません。そんな背景もあっての竹島問題ですから、厄介な問題と、専門家は位置づけているのでしょう。

 領土問題に関しては、単に誰の土地というだけの話ではなく、とてもナイーブなもので、領土問題は戦争へとつながりかねません。

日本維新の会が躍進後のライフプラン

 解散総選挙があるかもしれない。町中そんな雰囲気です。政治は社会を変えます。国会が法律を作り、行政はそれを実行します。日本は間接民主主義ですか ら、国会議員の考え方で、国の在り方が変わります。その国会議員は選挙で選ばれます。つまり、選挙で勝ったことイコール国民に、全てまかされたことになり ます。

 憲法の前文には「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し・・・」とあります。

 国会決議は多数決です。少数意見は、場合によっては無視されます。今の民主主義は多数決が正義なのです。

 今の勢いで行けば、日本維新の会が政権を取るか、連立政権となっても、相当影響力を持つと言われています。選挙ですから、蓋をあけてみないとわかりませんが、新しい政権が、社会構造を決めます。社会を作ってきます。

 日本維新の会による社会とは何ぞや。どんな社会なのか。それを知ることで、私たちのこれからの振る舞いは、大きく変わってきます。

 日本維新の会の基本理念である「維新八策」の冒頭には(ここでは大阪維新の会です)、何を目指すかが書かれています。

      「個人の自由な選択と多様な価値観を認め合う社会を前提に、
              ・自立する個人
              ・自立する地域
              ・自立する国家 
       を実現することです。」

 となっています。「自立」がメインテーマです。つまり、自分たちのことは自分たちで守りなさいということです。おおむね小泉内閣の時の「構造改革なくして経済成長なし」の路線ですね。規制の撤廃は、彼らの中心に位置しています。

 つまりは小さな政府を目指す構えです。なにもかも国が面倒を見るのではない。もっと自由な市場原理を取り入れ、競争により、みんなが切磋琢磨して、成長していこう、というものです。

 小泉政権の批判は格差の拡大でした。その反動で誕生した民主党政権は、格差の是正でした。しかし、あまりにもポピュリズムに走りすぎた政策はとん挫するばかりで、何もしない、何もできない内閣と批判を浴びました。マニュフェストの撤回でしたね。

 今度は、そこからまた舵を切って、小泉政権下の時代に巻き戻されようとしています。

 国や制度に依存することを前提としたライフプランは成り立たなくなります。社会構造が大きく変わるということは、規制撤廃により、日本国内のみならず、海外との競争も余儀なくされることになります。

 安定した雇用環境は、自分の力で守るのです。誰でもできる仕事は誰かにとって換わられます。常に、意識を高く持っていなければはじかれます。それが競争社会です。

 今迄のライフプランは通用しなくなるでしょう。今までの常識は、新しい常識に塗り替えられます。

 「自立」です。ライフプランのテーマは「自立」なのです。セイフティーネットは、最終手段です。生活保護を受けるには、全部なくしてからです。それまでは、国も制度も助けてはくれません。

 覚悟しておきましょう...

2012年9月16日日曜日

ヘッジファンドのターゲットが、ユーロから日本へ?

日本デフォルト、ちょっと前まではすごく叫ばれていましたが、今はなんか静かになっていますね。日本が破たんするということは、確かに考えづらいことではあります。

 破綻とは、自分の力でお金を調達できないくなることです。借金ができなくなったらおしまいと言うことです。化会社や国が債券を発行できなくなったらおしまいと言うことですね。会社の場合、上場会社なら株からの資金調達もあるでしょうが、国は国債の発行しかありません。

 日中韓で、お互いに、国債を買い支えあっています。これもそうご助け合いですね。と言うよりも、韓国にとっては非常にメリットがあることです。しかし、竹島問題がこじれて、この国債の買い支えにも微妙な影響が出てきています。

  さて、日本の国債が買ってもらえなくなるというのはどういうことでしょう。ギリシャやスペインがいい例ですね。この両国の国債の利回りが跳ね上がりまし た。国債が売られたのです。それは、先物市場で売られ、CDS価格が上昇したことが始まりです。CDSは破たんを保証するもので、俗にいう倒産保険と言わ れているものです。CDS価格が上昇するということは、それだけ危険度が増しているということです。

 ちなみに、国債の利回り上昇が危険なのは、利払い額が財政を圧迫するからです。金利上昇はほどほどがいいのです。ですから破綻を仕掛けるには、猛烈な債券売りによる利回り急上昇、その結果通貨暴落、そして株価下落と言う動きになります。

 日本破綻の仕掛けは、日本国債先物の猛烈な売り、それによるCDS価格の上昇。それを確実に、また拍車をかけるのが日本国債の格下げです。

 日本しか日本国債を買っていないので、日本デフォルトなんてありえない。日本の金融機関はなんだかんだ言って国債を買い続けるという論調も正しいでしょう。

 でも、ヘッジファンドはそれこそ恐ろしい集団です。ボルカー・ルールでは日本国債は対象になっていません。つまり、フリーなんですね。

 ユーロ売り崩しも、そろそろ終わりでしょうから、ヘッジファンドは、次なる仕掛けを模索しているはずです。それが日本でないことを祈りたいですね。

2012年9月14日金曜日

QE3でオバマ陣営は有利になるのか....

 昨日、アメリカFOMCで追加の量的緩和政策(QE3)実行に関する発表がありました。マーケットは好感しているようで、今日の日本市場でも、その余波は大きく、東京市場では幅広い銘柄で買いが入り、アジア市場も上昇しています。

 経済における影響は、別のブログにお任せして、ここでは、政治的な観点から、今回の9月でのFOMCでのQE3発動について考えてみましょう。

 当然11月の大統領選挙が絡んできます。中央銀行の中立性、政治とは関与しない立場からでは、大統領選挙直前での、経済に大きな影響を与える政策はとりづらいものです。それゆえ、10月のFOMCでは、とてもQE3の話題は持ち出せません。

 今回の量的緩和による景気刺激策に関しては、どうしても打ち出す理由があったのしょう。それは、ここにきてのオバマ陣営の不利、ロムニー候補の猛追現象、もう一つはバーナンキFRB議長自身の首がかかっているということです。

 支持率において、民主党、共和党交互に、上位に上がっていて、どちらにとっても、圧倒的な戦局にはなっていないようです。ライアン氏を副大統領候補にし たことで、共和党は右派を引き込む作戦をとりました。これは前回の中間選挙でも活躍したティーパーティーの取り込みです。民主党は、このティーパーティー に散々やられましたからね。

 オバマ政権樹立時の最大の立役者は、就職困難な若者層の支持があったからですが、グリーンニューディール政策も前に進まず、失望感から、中間選挙は、若者層の離反で民主党が大敗しました。ひとえに失業率の悪化、労働環境が一向に改善されないからです。

 そこで、オバマ政権は、製造業復活へとのろしを上げ、金融業界を徹底的に悪者にしました。金儲けばかりで雇用を生まない金融業界を敵に回したのです。それが金融規制のボルカー・ルール発効であり、LIBOR不正事件を明るみにしたのだと思われます。

 トヨタバッシングも、のちに、一連の事故原因と言われる出来事はやらせであったことを認めていますが、結果、GMやフォードは復活です。海外からの、高度な技術者、付加価値の高い技術を、どんどんアメリカ国内に戻しています。

 これは完全に勘ぐりですが、TPPは、アメリカに憂愁に医療関係者を終結させるのが目的ではないでしょうかね、何となくそんな気がするのですが、あくまでも憶測で何の根拠もありませんが...

 労働環境の改善を前面に押し出した今回のバーナンキ議長の声明文、景気改善があっても労働環境が認められない限り、MBSや国債は買い続けるというメッセージを出しています。まさに、政治的な戦略と言えるでしょう。

 これで、10月のFOMCでは、それを確認するだけで、マーケットは反応しますし、恐らく,10月第一週の非農業部門雇用者数は、大幅改善の数字になる のではないでしょうか。今回のデータをドレッシングしているのか、今度の数値をいじるのか、時々政府発表数字を、作為的に調整するという話は聞いていまし たが、それは確かなことではありませんが、結果、10月の雇用統計が大幅改善なら、11月大統領選挙に向けて、めちゃくちゃ大きな弾みとなります。

 11月はFOMCはなく、12月に開かれます。11月がないというのも微妙です。

 もう一つの理由は、ロムニー候補が大統領になったら、バーナンキ議長は解任すると明言しているようです。ライアン副大統領が納めるような発言をしても、再度声高に、ドルを下落させた張本人はやめさせると語気を強めたそうです。

 バーナンキ議長にしても、自分の椅子がかかっています。ここで、目に見える形で、経済回復を示さないと、立場が怪しくなります。もはや、オバマ-バーナンキ共闘体制ですね。

 とにかくオープンエンド型の、今までにない量的緩和の方法です。選挙にどう影響を与えるのでしょうか...

 選挙後、どちらが大統領になるかで世の中が変わるといった内容は、今週発行のメルマガに書きましたので、そちらをご覧ください。

2012年9月13日木曜日

安倍晋三元総理も立候補者

民主党代表戦、自民党総裁選も、立候補者が出揃いました。事前に名前が上がったメンバーで、サプライズはないですね。サプライズと言えば、谷垣総裁が不出馬ということでしょうか。

安倍晋三元総理には、政権を途中で投げ出した責任を問われています。所信表明をしてすぐ、党首討論直前に辞任したということは、相当の汚点のようです。

安倍晋三元総理は右寄りの政策の中心者で、右関連の集団には根強い人気があります。大阪維新の会との距離が近いということは、日本維新の会も、右寄りの集団と言えるのでしょうか。

憲法改正、特に9条を引っ張り出してきて国民投票のかけるところは、安倍晋三元総理と同調するところですね。

自民党内で今後のポジションを掴めないとなった時点で、安倍晋三元総理は、日本維新の会に合流するのかもしれません。

選挙前の合流だと、やはり元総理といえど、新党のイメージにも関わりますし、無党派層の取り込みにはマイナスになってしまいます。選挙後に安倍晋三元総理合流となると、参議院で安倍氏に近い議員も合流してくるでしょうから、日本維新の会の弱点でもある参議院でも勢力を伸ばすことができます。

自民党では、石原幹事長は民主党と公明党との連立でしょうし、石破前政調会長も、日本維新の会とは付かず離れずの立ち位置でしょう。

自民党総裁選で誰が総裁になるかで、日本維新の会に流れる議員も出てくるのでしょうか。それは民主党とて同じでしょうね。

いずれにしても、理念などそっちのけで、どこのグループに属していれば、選挙に通りやすいかしか考えていない、さもしい議員ばかりですからね。



iPhoneからの投稿

2012年9月12日水曜日

大阪維新の会が訴えている「混合診療の解禁」について

 大阪維新の会が、日本維新の会という政党となり、その政策を示すものに「維新八策」が発表されています。その中に、「混合診療の解禁」という項目があります。

 混合診療とは、保険診療と自由診療が一緒に行われることを言い、その場合、医療負担の平等性の観点から、自由診療分を患者さんに請求してはいけないことになっています。もし請求する場合は、保険診療部分も自由診療となり、患者さんの全額負担になりますよというものです。

 いまこの混合診療が認められているのは、差額ベッド代や新しい高度医療の提供などごく一部です。しかし、歯科の分野では広く認められています。抜歯した後の歯を入れる時に「保険適用にしますか、自由にしますか」と聞かれたことはないですか。

 混合診療を禁止することは、一見、患者さんにとって不利益のように感じますが、混合診療の解禁には、いくつかの大きな問題点が隠れているのです。

  いま、健康保険制度は火の車です。おそらく、日本デフォルトなんてことがおきれば、真先にメスを入れられるのが医療制度です。そもそも今の財政状況で、皆 保険制度維持は、非常に困難です。日本国債が暴落し、日本売りが加速し、お隣韓国のように、IMFの支援を受けるようになれば、真先に皆保険制度は見直さ れるでしょう。年金よりも医療の方が、実は、財政がめちゃくちゃ大変なのです。

 永田町では、皆保険性制度維持のために、薬剤の保険適用 外を真剣に検討しているという話も耳に入ってきています。治療等の医療行為は保険適用、薬剤処方は保険適用外ということですね。医療給付費(患者さんが負 担した3割分の残りの7割分のことで、健康保険制度から医療機関に直接支払われています)の削減のために、ジェネリック医薬品の普及を推進しています。

 混合診療の解禁をきっかけに、今まで保険診療だった部分も自由診療に切り替えられるのではという懸念があるとも言われています。また、混合診療解禁は、お金持ちにはとってもいいことですが、経済力の弱い人には厳しくなります。受けられる治療が限られるのです。

 そもそも、混合診療の解禁は、アメリカがずっと前から強く要求していることです。日本では薬価制度というものがあり、厚生労働省が認めた薬しか取り扱えないことになっています。逆にいうと、厚生労働省の安全基準をクリアした薬剤しか使えないとも言えます。

 自由診療の薬の安全性に関して、保証がなくなることは、安全面で不安となります。ただ、外資系の薬がどんどん日本市場に入ってくるので、外国企業にとっては、混合診療の解禁は、規制撤廃と同じ効果を得ることになります。

  また、混合診療の解禁となると、保険診療と自由診療の比率は、医者任せとなり、医療機関としては、お金持ち優遇の病院を作り、大きく稼ぐことができます。 患者さんの了解は得るとはいうものの、病気になった時の立ち位置は、やはりお医者さんの方が上になるでしょう。お医者さんの言うとおりになりがちです。

 今は歯医者さん不遇の時代です。生き残っている歯医者さんの多くは、自由診療の比率が大きいところです。儲かっている歯医者さんは自由診療で儲かっていると言えるでしょう。

 ますます保険診療は、隅に追いやられることになりかねない政策でもあります。広く人を救うか、医療現場に自由経済の論理を導入するのかです。

  よーく考えましょう...といっても、おそらく、混合診療は解禁の方向に向かうのでしょうね。日本維新の会が取り上げているのですから、今の勢いで言え ば、医療制度の大きな見直しは避けられないでしょう。自由経済の論理は、医療の世界のみならず、学校社会などにも取り入れられると思われます。

 自由経済の考え方、競争原理は間違っているとは思いませんが、医療や教育など、ここだけは全国民をケアしなければならないというところだけは、政府が責任を持つべきと思うのですがね...

2012年6月27日水曜日

仕手筋とは

仕手筋は、相場を人為的に作り、短期間に大きな利益を創り出す集団のことで、公開市場で投機的売買を行います。

仕手の武器は巨額な資金です。ある銘柄に集中して投資し、意図的に株価を吊り上げ、上がりきったところで売りさばくことで利益を上げます。

仕手の由来は、能の主役である「シテ方」に由来すると言われています。

主に、株数の少ない、中小型株がターゲットになり、何の材料もなく、いきなり上がる傾向が多いです。この仕手株の仕掛けに後追いをする投資を「提灯」と言い、個人投資家の中では、提灯手法をもっぱらとする人もいます。

仕手筋は、主に反社会勢力の資金源としての役割が多いですが、政治資金集めともいわれています。仕手筋が動く6か月後ぐらいに選挙があるとまで言われています。

今、その相場は低位株が動いています。選挙があるのかどうかはわかりませんが、事実として、低位株が動いています。また、大相場の前触れとして、低位株から動くことから、今後の相場展開を予想する専門家もいます。

果たして選挙はあるのでしょうかね・・・

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2012年6月26日火曜日

ユーロ圏とEU圏

EUとは欧州連合で、地域統合体となっています。加盟国は現在は27国となっています。そのうち、統一通過であるユーロを採用している国は17か国です。

 EU加盟国でユーロ通貨でない主な国は、イギリス、スウェーデンなどで、EUに加盟していない主な国は、スイスやノルウェーなどです。

 ドイツが主張している財務同盟は、ユーロ加盟国17か国統一の財務省の設置まど、単に通過の統一だけでなく、銀行機能や財政を統合しようというものです。

 通過発行権は中央銀行のみで、ギリシャやスペインではユーロ紙幣をすることはできません。

 EUの欧州連合には議会や裁判所などもあり、EU委員会は実務執行機関です。

2012年6月15日金曜日

株式と債券

経済の勉強でよくいわれる株と債券の相関関係。つまり、株価が上がれば債券価格は下がる、逆に、株価が下がれば債券価格は上がるという関係です。

今は、世界的にリスクオフの状態で、資金は一斉に債券市場にシフトしています。債券バブルの様相です。それが長期金利の急落という現象で表れています。

しかし、どこかで資金のまき直しが起きます。債券市場から株式市場への資金移動です。債券の暴落という表現になるのでしょう。

金利の上昇は、国債保有率の高い銀行などは、含み損を抱えることになります。金利上昇は、住宅ローンを抱えている多くの日本国民にとっては厳しい環境ですね。

そうなるには、株価が反転することが前提です。投資家がリスクオンになることです。

国債に資金シフトしているということは、国が資金調達ができているということです。

株価が上がるということは、企業等の含み益が増えていることで、法人税収が増えることになります。

いずれにしても、一気に、どちらかが上がる下がるが良くないことです。何事も行き過ぎは良くないです。

今の世界はまさに債券市場過多という現象ですね。

2012年6月12日火曜日

消費税の逆進性

消費税の目的は、「広く・薄く・公平に」税を納めてもらうことですが、こう書t九社の形ほどエンゲル係数(総支出における食費にかかる費用の割合)は低くなります。食費は日常的な出費です。

 となると、低所得者のほうが、エンゲル係数は高く、そういう意味では節約が非常にしづらい分、高所得者ほど消費を抑えられないことになります。

 となると、消費をすることでかかるのが消費税ですから、低所得者層の方が、消費税の税負担感は大きくなるというのが逆進性と呼ばれるものです。

 直接税である所得税は、累進課税となっているので、高額所得者の方が、納税額は多くなっています。これとの兼ね合いを考えると、決して不公平なことではないという議論もありますが、日常、必ず消費するものへの税金ですから、やはり、出費そのものが増えることは間違いありません。

 消費税は、一般消費者だけの話ではなく、製造工程にも影響があります。業者側も、部品仕入れで消費税を払いますから、最終製品コストに跳ね返り、製品の単価が上がることにつながります。消費増税コストを価格に転嫁できなければ、それは、利益の喪失ですから、給料に跳ね返り、消費が冷え、経済の悪循環につながるのではとの懸念もあります。

 消費税の逆進性は、導入当時から問題とされているもので、今回の増税法案には、低所得者に何らかの給付を考えようとしているようです。

2012年5月29日火曜日

日本円と人民元の直接取引

外国為替市場で日本円と中国人民元の直接取引が、6月から本格的に始まります。ドルを介しての取引だった両国間の通貨取引は、これで拡大の期待が高まり、コスト削減にもつながっていきます。人民元と円の直接取引は昨年12月、野田佳彦首相と中国の温家宝首相が首脳会談で拡大方針を合意しています。

 中国側の思惑としては、円との取引を介して、中国経済のドル依存体質からの脱却を図る狙いがあるようです。人民元の国際化の狙いもあるのでしょう。

 中国は、ドル建て輸出による為替リスク軽減のため、2009年より、人民元建ての貿易決済を解禁しています。元建ての比率は、2011年の輸入総額に対する16%から増えていって、2014までには30%を突破するといわれています。

 日中貿易においては拡大の一途で、2011年で約27兆円、これは10年間で2.5倍の拡大スピードのようです。今後の成長が見込める日中貿易での、円・元直接取引が広まれば、円高ドル安の状況下で、円を踏み台にドル依存比率を下げることができると、目論んでいるようです。

2012年5月27日日曜日

ヨーロッパ共同債(EU共同債)について

フランスでは、17年ぶり、ミッテラン大統領以来の社会党政権、オランド大統領が誕生しました。緊縮一辺倒から経済成長へと舵を切る提案をし、ギリシャでも総選挙で緊縮体制への反対を表明しました。オランダでも、ドイツ指示の現政権は崩壊しました。ドイツも、周辺諸国のこの動きに歩み寄るのかどうか、思案のしどころです。

 ここで、一気に浮上してきたのが「EU共同債」の発行を巡る攻防です。ドイツはこれには反対を唱えています。

 このEU共同債とは、ヨーロッパ個々の国が独自で国債を発行して資金調達するのではなく、EU全体として債券を発行することを意味します。米国財務省証券(TB:トレジャーボンド)と同じですね。


 この経緯はアメリカも経験しています。アメリカは各州独自に州債を発行して資金調達をしていましたが、1789年、独立戦争で借金を返せなくなった州が続出して、現在の統一した米国財務省証券発行に至りました。まさに今のヨーロッパ状態です。

 共同債発行のメリットは、ギリシャやスペイン、イタリアの発行する債券と、ドイツが発行する債券の条件が同じになるので、危機的と言われる利回り7%以上の上昇は起こりにくくなります。

 デメリットは、完全にドイツ側にあります。ただでさえ、ドイツは一国で債券発行による資金調達は十分可能で、しかも極端に利回りが低い状況です。資金調達コストをかなり低く抑えることができます。もし、共同債発行となると、今のドイツ国債よりも利回りは跳ね上がり、ドイツの金利負担は大きくなります。そりゃあ,ドイツは反対するでしょう。

 そもそも自業自得の国を、今までも多額の資金援助をしているのに、何でそれ以上に、共同債なんてことで、面倒を見てあげなきゃあいけないのか・・・というドイツ側の心理もわかります。これを認めると、メルケル首相の再選はないでしょう。

 ドイツも、自分のことばっかり考えるなという声もありますが、ギリシャのユーロ離脱はどうでもいいですが、ドイツがユーロ離脱、マルク復活となると、 こちらは偉い騒ぎになるどころの話ではないですね。

 EU共同債は、ヨーロッパ全体に大きな蓋をするようなもので、結局中身はブラックボックスにしてしまうもののような気がしますが、今後の焦点は、どうやらEU共同債発行するかどうかに向かってきているようです。 ドイツは、かなりの条件を付けてこれを飲むかどうかですね。

2012年5月22日火曜日

ボルカールール

ポール・アドルス・ボルカー・ジュニア
ニューヨーク連銀から、チェース・マンハッタン銀行へ、そして副社長まで上り詰め財務省通貨担当事務次官を務め、あのニクソンショックにかかわることになります。その後、カーター政権下でFRB議長を務め、レーガン政権下で、世界経済の大きな節目となるプラザ合意にかかわります。

金融引き締めと言えばボルカーで、今回のボルカー・ルールと呼ばれるものも、金融機関への様々な規制を盛り込んでいます。その内容は

1、自己勘定での証券売買やデリバティブ取引の禁止
2、ヘッジファンドなどへの資金供給の禁止
3、銀行が大きくなりすぎることの防止

このうち、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスらにとって一番厄介なのが1番の項目です。ローマンショック後もダミーを使って自己勘定取引を行っているといわれています。ここが大きな収益源です。

2012年5月21日月曜日

FTAとEPA

FTAとは、Free Trade Agreement 自由貿易協定のことで、特定の国や地域との間で、関税や規制を失くして、モノやサービスの流通を自由に行えるようにすることです。

 EPAとは、Economic Partnership Agreement 経済連携協定のことで、物流のみならず、人の移動、知的財産の保護、投資、競争政策など様々な協力や幅広い分野での連携で、国同士や地域同士の親密な関係強化を目指すものです。

 いま日本は、日中韓でのFTA、日・EU間でのEPAに向けて話し合いを進めています。

 これにTPPは絡んでくるのですね。

 TPPは、太平洋地域すべての国を巻き込んでの大きな枠組みで、FTAの関税撤廃はもちろん、EPAの知的財産や投資などにも、その対象は拡大されていきます。

 当然メリット、デメリットはあります。経済スケールが拡大されるメリットもあれば、場合によっては自国産業へのダメージを受けるデメリットもあります。どちらを優先するのか、どちらに重きを置くのかということになります。

 外交において、このFTA、EPA締結は、慎重に進めながらも重要な課題と言えます。

2012年5月18日金曜日

テールリスク

テールとは馬の尻尾で、物事が起こりうる確率のはしっこ、つまり、ごくごく少ない確率で起こる事象のことですが、もしそれが起きたらとてつもなく大きなリスクになりますよということです。

 リーマンショックのときのように、短期的な大きな下落を指します。ギリシャのユーロ離脱をきっかけに、マーケットは大きく下落するテールリスクに備えようという感じですかね。

 当然テールリスクに備えるにはヘッジ(回避)を行います。分散投資はまさにそれで、多くの場合金を買っておくなどの対策が取られます。リスク資産である株式市場が大きく下落するときには実物資産である金は買われます。何かが起きても、持っている資産の中で、ある程度マイナスをかばーしてくれる投資先を確保しておくことがヘッジと言えます。

 セリングクライマックスということばがあります。これはたとえば先物で買いポジションをため込んでいて、下落時に大きな損失を抱えたとした場合、一気にポジションを手じまうなどして売り続けることで、急激にマーケットが下落します。

 だらだらと下げ続けていく、時間をかけて下がっていくのが一番嫌です。セリングクライマックスのような急激な下落は、その後買い戻す勢いも大きくなることもあります。

 テールリスクという言葉は、マーケット関連のニュースでは、最近よく登場してきます。

2012年5月15日火曜日

世界ウイグル会議が東京で開催

14日東京で世界ウイグル会議が開かれました。ドイツ・ミュンヘンに拠点を置く、世界各国のウイグル人の組織で、中国におけるウイグル人の人権状況を世界にわかってもらう広報活動が中心の組織です。

 このためか、日中韓首脳会議で訪中している野田総理が、胡錦濤国家主席との単独会談に応じてもらえないと報じられています。胡錦濤国家主席は、李明博韓国大統領とは会談を行っています。対応の違いを鮮明にした理由が、世界ウイグル会議が日本で行われたことへの遺憾の表れと報じられています。

 中国とは尖閣諸島をめぐる領土問題もあり、国の思惑が交差する中の日中韓サミットだっただけに、ギクシャクした感じは否めなかったようです。今後のアジア経済を考えると、この3国の関係は非常に重要です。

 中国は、今権力闘争の真っただ中です。今年は、5年に1度の、国家意思決定の最高幹部9人が入れ替わる年です。まさに権力闘争真っ只中の状況です。石原都知事が尖閣諸島を買うといった時の中国の反応が意外と静かだったのは、それどころではない国内状況があるとの見方もあります。石原都知事はそれを知って、あのタイミングで尖閣諸島の件にふれたとも言われています。

 日中韓のFTA交渉もあり、この3国の関係は、これからの世界経済を見るうえでも、目が離せないものになってきます。米韓FTAにTPP、アメリカのアジア戦略にもかかわってきます。

2012年5月14日月曜日

東京電力に1兆円

東京電力への公的資金1兆円投入が話題になっています。有識者の間では、東電という会社をいったんつぶして、原子力事故の後始末専門の会社にすべきだとの意見もあります。原子力という大きなプロジェクトを民間企業にやらせること自体が問題だという議論もあります。

 東京電力管内の電気料値上げも話題になっています。遊休地を含む東電所有財産の売却が全然進んでない中で、電気料値上げはおかしいという意見もあります。

 本来なら東京電力という会社は、賠償金が支給されなければ債務超過になています。実質破たんしています。それを延命することの意味は何なのでしょうか。

 財務省関連が東電の国有化に反対しているとの話を聞きます。消費税の負担を国民にお願いする立場で、今後どれだけ事故終息にお金がかかるかわからない原子力関連を国が負担することは難しいという見解です。国は肩代わりしたくないのです。

 ところが経済産業省は、お金を出す代わりに、それに見合った議決権をよこせと迫っています。国の経営権の掌握です。

 東電関連の問題には仙谷政党会長代行が深くかかわり、所費増税法案成立に力を注いでいることから、財務省側が仙谷氏に歩み寄ったともされていて、この国営化問題は、今回の1兆円をつぎ込んでの企業再生により、どのように動くのでしょうか。東電人事は刷新されます。

 原子力は日本にとって本当に必要なのでしょうかね。

2012年5月11日金曜日

コンプリートガチャ(コンプカチャ)

コンプリートガチャとは、携帯電話用のアイテム購入方法のことです。ガチャは、カプセルにおもちゃが入っているガチャガチャのことで、求めているものを手にするまで、お金を投じ続けることになります。アイテムが揃うまでガチャガチャを回し続けることが携帯ゲームメーカーの大きな収入源となっています。それにより、子供が高額をつぎ込むトラブルが社会問題になっていて、消費生活センターにも多数の相談が寄せられています。

  コンプリートガチャ(コンプガチャ)は特定のアイテムをそろえると希少アイテムを入手できる仕組みです。これが景品表示法が禁じる「カード合わせ」の手法に該当すると消費者庁が判断したと報じられています。

 景品表示法とは、正式には、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)といいます。実際よりも良く見せかける表示や、過大な景品付き販売により、消費者が実際には質の良くない商品やサービスを買ってしまうなどの不利益を被るおそれがあることから、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限する法律です。

 ソーシャルゲーム配信国内大手のディー・エネ・エーやグリーにとっては大打撃です。社会的責任をとわれ、その大きな収益源もなくなります。それまで、相場を大きくけん引していた立場だったことから、市場への影響は大きいと思われます。

 インターネットの世界は、急激な成長を遂げてきていますが、そのマーケット拡大の方法や、収益構造が注目されます。

2012年5月9日水曜日

いよいよ政局ですかね

小沢一郎元民主党代表の控訴が決まりました。小沢氏の党員復権はすでに決定していて、疑いは晴れないままの復権となりました。

そもそも党員復権を早めに決めた経緯は挙党体制堅持の意味合いがあり、復権を認める代わりに、消費税関連法案への反対の態度を軟化することを迫るのが狙いでした。控訴が決まったことで、9月の代表選挙に小沢氏自身の出馬は微妙になったでしょう。

小沢氏の、党員復権して控訴というシナリオは、野田政権には有利なのではないでしょうか。

小沢氏への配慮は十分に行いましたからね。小沢グループへの配慮のあとの控訴決定ですからね。ただ、国民への説明は道理が通りません。説明よりも法案が大事ということでしょう。

何がなんでも消費税率引き上げは断行すると思われます。それは、たとえ自民党の意見をまるのみしてでも成立させるのでしょう。

いよいよ政局が本格的になってきそうです。

2012年5月7日月曜日

ポピュリズムを考える

ポピュリズム・・・大衆迎合は確かに選挙には有効です。減税、雇用拡大、社会保障堅持、これらは国民には受けの良い政策ではあります。ヨーロッパで争点になった緊縮体制は、増税、公務員カット、社会保障の縮小を伴いますから、当然、批判の対象になるでしょう。

 そもそも、国をこんな目に合わせたのは誰だという意見もあります。それを支持したのは誰だという側面もあります。日本も同じです。腐敗が横行する国は栄えません。官僚天国の国もいかがなものか。歳費拡大はもってのほかです。そこから手を付けることは当然ですが、だからと言って、国民の「受け」ばかりを狙った政策もいかがなものかですよね。

 増税の前にやることはいっぱいあると思いますが、税の議論も含め、財政の健全化をはかるには、どうすればよいのでしょうか。経済成長による税収アップを図る、ダイレクトの増税に踏み切る、税収アップに必用なのはこの二つになるのでしょうか。 最も両方大事ではありますがね。ギリシャでは、消費税率を引き上げても、むしろ消費が落ち込んで税収は上がらなかったということです。

 雇用拡大には、手っ取り早いのは公共事業を増やすことです。日本でも自民党政権での十八番でした。アメリカも、かつてはニューディール政策を行いました。オバマ政権発足時はグリーン・ニューディールを叫んでいましたが、あれはどうなったのでしょうか。雇用拡大には景気の底上げが必要です。これはまさに経済政策で、増税がこれに合致するのかどうかは疑問です。

 社会保障の堅持、こちらはいかにして財源を確保するのかというところにつきます。大きな政府か小さな政府化の議論もあります。サービスをどこまでにするのか、国民負担はどこまでお願いするのかのバランスもあり、かなり難しい課題と言えます。

 ポピュリズム、これは別に反体制を意味しているわけでもなく、大衆に迎合することはどうかと思いますが、国民のために政治を行うという部分は理解できます。かつて、バブル崩壊後、会社は誰のものかという議論があり、会社存続か雇用維持かで、リストラの是非が問われたことを思い出します。会社あっての社員であると同時に、社員あっての会社でもあります。顧客が会社を支持し、株主が会社を支えているのも事実です。

 国民の選択は、大きく左右にぶれるものです。スパルタ教育で育った親は放任主義になり、放任主義で育った子供はスパルタな親になると言われます。 行き過ぎは必ず揺り戻されます。こんな時に求められるのがカリスマと呼ばれる存在で、それも群集心理なのでしょう。ただ、間違ったカリスマはその後、大きな悲劇を生むことは、歴史が物語っています。

 私たち国民がもっと賢くなることが必要なのでしょう。

2012年5月5日土曜日

マイナンバー法案が審議されます

 国民一人一人に番号を割り振る「共通番号制度」を導入するのに必要な、いわゆる「マイナンバー法案」の国会での審議が大型連休明けにも始まります。政府は社会保障制度の充実や税の適正な徴収を図るため、3年後の平成27年からの制度導入を目指しています。

 当然、個人情報の保護に関しての議論が予想されます。政府、国の機関の信用性が薄らいでいる状況で、納税情報という、私たち国民の根幹の部分をさらけ出すことに、多くの方は抵抗を感じているのではないでしょうか。まだまだ広く、国民の理解が必要な法案だと感じますね。
 マイナンバー制度で、納税も社会保障を受けること、医療を受けるときにも用いられると聞いています。健康保険証が変わる感じですね。保険料納付の有無や治療履歴(少なくともどこの病院へ行ったかはわかる)も、情報として盛り込まれるのでしょうか。

 情報の流出を防ぐため学識経験者らによる「第三者機関」を新設して、自治体の管理体制を監視することなどが盛り込まれているそうですが、そもそも、個人情報の悪用に関して、いろんなところで社会問題となっています。民間の金融機関だけでなく、役所などの、警察組織でも、ずさんな管理体制が報道されています。そこまで国が信用できるのかという話のようです。朝のテレビ番組では、松原仁国家公安委員長が、個人の通話傍受の必要性を訴えていました。なにやら、違う国の話のような気がしてきましたね。

 法案が通れば、共通番号は、日本に住民票がある人であれば、全員に自動的に付けられます。本人の同意なく、勝手に番号が付けられるそうです。

 そもそも、政府は制度導入のねらいは、「公平な税の負担や、きめ細かい社会保障の給付を図ること」を挙げています。制度導入のメリットを、次のように説明しています。

 年金を受け取る際に必要な番号や住民票コードなどは、今の段階では別々ですが、共通の番号の制度があれば、所得や、年金などの保険料の支払い額、それに受けている公的サービスを一元的に把握できます。これによって、社会保障の給付漏れや、税の徴収漏れを防ぐほか、公的サービスに関係する手続きもこれまでより簡素化できます。
 医療費が自己負担の上限を超えた場合、現在はいったん窓口で支払い、後に払い戻しを受けなければなりませんが、こうした手続きが不要になります。共通番号があれば個人の所得を把握できるようになるので、減税や、現金を支給する「給付付き税額控除」も実施できるようになるということです。

 これらを聞いているだけでも、すごく重要な個人情報です。システムの簡素化は、役所側のメリットで、私たちの利便性はどこまで進むのでしょうか。そもそも便利と引き換えに、何をしなければならないのかは注意が必要です。

 マイナンバー制度は、私たちが完全に丸裸にされるイメージを抱きます。それがいけないとは言いません。何も悪いことをしているわけではないので、丸裸にされてもいいのですが、そのコアな情報がどのように使われるのかその管理体制が問題です。そう簡単に配送ですかと言う法案ではないような気がしますが、いかがでしょうか。

 いま、消費税の話題に隠れて、とても重要な法案が審議されようとしています。