フランスでは、17年ぶり、ミッテラン大統領以来の社会党政権、オランド大統領が誕生しました。緊縮一辺倒から経済成長へと舵を切る提案をし、ギリシャでも総選挙で緊縮体制への反対を表明しました。オランダでも、ドイツ指示の現政権は崩壊しました。ドイツも、周辺諸国のこの動きに歩み寄るのかどうか、思案のしどころです。
ここで、一気に浮上してきたのが「EU共同債」の発行を巡る攻防です。ドイツはこれには反対を唱えています。
このEU共同債とは、ヨーロッパ個々の国が独自で国債を発行して資金調達するのではなく、EU全体として債券を発行することを意味します。米国財務省証券(TB:トレジャーボンド)と同じですね。
この経緯はアメリカも経験しています。アメリカは各州独自に州債を発行して資金調達をしていましたが、1789年、独立戦争で借金を返せなくなった州が続出して、現在の統一した米国財務省証券発行に至りました。まさに今のヨーロッパ状態です。
共同債発行のメリットは、ギリシャやスペイン、イタリアの発行する債券と、ドイツが発行する債券の条件が同じになるので、危機的と言われる利回り7%以上の上昇は起こりにくくなります。
デメリットは、完全にドイツ側にあります。ただでさえ、ドイツは一国で債券発行による資金調達は十分可能で、しかも極端に利回りが低い状況です。資金調達コストをかなり低く抑えることができます。もし、共同債発行となると、今のドイツ国債よりも利回りは跳ね上がり、ドイツの金利負担は大きくなります。そりゃあ,ドイツは反対するでしょう。
そもそも自業自得の国を、今までも多額の資金援助をしているのに、何でそれ以上に、共同債なんてことで、面倒を見てあげなきゃあいけないのか・・・というドイツ側の心理もわかります。これを認めると、メルケル首相の再選はないでしょう。
ドイツも、自分のことばっかり考えるなという声もありますが、ギリシャのユーロ離脱はどうでもいいですが、ドイツがユーロ離脱、マルク復活となると、 こちらは偉い騒ぎになるどころの話ではないですね。
EU共同債は、ヨーロッパ全体に大きな蓋をするようなもので、結局中身はブラックボックスにしてしまうもののような気がしますが、今後の焦点は、どうやらEU共同債発行するかどうかに向かってきているようです。 ドイツは、かなりの条件を付けてこれを飲むかどうかですね。
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